三徳包丁と牛刀の違いとは?どっちを選べばいいか刃物のプロが解説
あなたは普段どんな包丁を使っていますか?
多くのご家庭が万能包丁(三徳包丁)をお使いではないかと思います。
一方で、欧米ではシェフナイフとも呼ばる牛刀をメインに使っている人も多いです。
プロの料理人や料理好きな人にとっては牛刀の方が使いやすく感じることも多く、
- 三徳包丁と牛刀の違いってなんだろう?
- 三徳包丁と牛刀はどっちを選べばいいんだろう?
とご相談を受けることもありますので、今回の記事でお答えしたいと思います。
松井茂樹
- 3歳から刃物の目利きを開始
- 祖父の代から続く刃物屋の代表取締役
- 刃物と会話ができます!
三徳包丁と牛刀の違い
三徳包丁と牛刀は共通点も多いです。どちらも 万能包丁として、「肉」「野菜」「魚」など何でも切ることができます。
西洋で生まれた万能包丁が牛刀で、牛刀をベースに和包丁である菜切包丁の要素を加えて日本で改良されたのが三徳包丁です。
ですので、どちらもメインの包丁としてご家庭で使って良いと思いますが、細かい違いがいくつかあるのでご紹介します。
違い①形状が違う
刃先は鎌形になっていて、ゆるやかなカーブになっています。(図左)
牛刀は刃元から刃先に向かって大きなカーブになっていて先端がするどいです。
三徳包丁と比べるとまな板に並行な部分が少なく反り返っています。(図右)
刃先は鎌形になっていて、ゆるやかなカーブになっています。↓
牛刀は刃元から刃先に向かって大きなカーブになっていて先端がするどいです。
三徳包丁と比べるとまな板に並行な部分が少なく反り返っています。↓
また、刃の幅は三徳包丁の方が牛刀よりも広くなっています。
これらの知識を知っていると、三徳包丁と牛刀は見ただけでどちらなのか判別することができます。
違い②サイズが違う
三徳包丁と牛刀ではサイズにも違いがあります。
三徳包丁は刃渡りがおよそ 15〜18cmくらいのものが多いです。初心者にも比較的扱いやすいのではないでしょうか。
牛刀の刃渡りは 18〜24cmくらいのものが多いです。大きいものですと30cmを超えるものもあります。
牛刀の方が一般的に大きいサイズですね。重量も重く刃先も長いため、せまいキッチンやまわりに人がいるときには特に扱いに注意が必要です。
違い③得意な使い方・切りやすい食材が違う
三徳包丁と牛刀では得意な使い方や切りやすい食材が違います。
三徳包丁は真下に向かって 押し切る切り方が得意です。そのため、野菜の千切りをするときなどは牛刀よりも使いやすいと思います。
牛刀は押して切るだけでなく、 引いて切る切り方も得意です。「牛」という言葉が入るだけに、肉を切るのが得意です。肉の塊や大きな魚をさばくのにも向いています。
三徳包丁に比べたら小回りは効きづらいので、野菜や果物などを切るのは少し苦手です。
三徳包丁と牛刀はどっちを選べばいい?
では、三徳包丁と牛刀を選べばいいか?
料理初心者の方や、とりあえず包丁1本でなんとかしたいという方は三徳包丁を選ぶことをおすすめします。
幅広く何でも切ることができるので、1本あれば大抵の使い方に対応できるからです。
実際、日本の家庭で主にに使われている包丁は、ほとんど三徳包丁だと思います。
一方で、 料理が得意な方や、大きな食材の調理をすることが多い方は、牛刀をメインの包丁として使うことを検討してみてください。
プロの料理人は牛刀を使っている方が多く、切れ味の良さを実感いただけるはずです。
牛刀をメインの包丁として使う場合、小さめの ペティナイフも一緒に持っておくと牛刀の苦手な場面を補強できるのでおすすめです。
牛刀だけだと小さな野菜や果物を切るときなどに、やや使いづらいと感じる場面があると思います。
松井刃物の三徳包丁と牛刀
最後に、松井刃物で取り扱っている三徳包丁と牛刀の中からおすすめのものをサイズ別にいくつか紹介しますね。
TOSHIYUKIステンツバ付三徳180㎜
定番の三徳包丁です。包丁を使う楽しさを体感していただくには、とてもおすすめ。最初の一本にはこれを選ぶのが良いと思います。
紋三郎サンドビック鋼ツバ付三徳165㎜
こちらも三徳包丁ですが、少し小さめのサイズになっています。手が小さめの方は、こちらを選ぶのも良いかもしれません。小さくても切れ味は良いですよ。
TOSHIYUKIステンツバ付牛刀180㎜
番のサイズの牛刀です。初めて牛刀を使うなら、このサイズからにするのが良いと思います。
TOSHIYUKIステンツバ付牛刀210㎜
少し大きめサイズの牛刀です。男性の方や料理に慣れている方は、このサイズの牛刀を使っていただくのがおすすめです。三徳包丁をすでにお持ちの方が2本目に持つのにも良いかもしれません。
TOSHIYUKIステンツバ付牛刀240㎜
家庭用の包丁としては、ちょっと大きめだと感じられるかもしれません。
しかし、慣れれば大きなものも難なく切れて料理の効率が大幅にアップします。
料理をはかどらせたいなら、このサイズをおすすめします。
もう一本持つならペティナイフ
三徳包丁と牛刀、どちらをメインの包丁に選んだとしても、2本目以降の包丁としてペティナイフを持っておくことをおすすめします。
果物など、小さめのものを切る細かい作業をするのにペティナイフはとても便利です。
松井刃物で扱っているペティナイフもいくつかサイズ別に紹介しておきますね。
TOSHIYUKIステンツバ付ペティ150㎜
それなりに大きさのあるペティナイフなので結構なんでも切れてしまいます。1本持っていると便利ですよ。
紋三郎サンドビッグ鋼ツバ付ペティ135㎜
中間サイズのペティナイフ。150mmだとちょっと大きいかもと感じられる方はこちらをお使いください。
紋三郎ステンツバ付青合板柄ペティ120㎜
小さいサイズのペティナイフです。お好みによって、使い分けていただければと思います。
三徳包丁と牛刀の違いのまとめ
あなたの家にある包丁は三徳包丁と牛刀、どちらでしたでしょうか?
用途としては三徳包丁も牛刀も、あまり変わりません。強いていうなら、野菜を切るのがやや得意なのが三徳包丁、肉や魚を切るのがやや得意なのが牛刀です。
三徳包丁をお使いのご家庭が多いと思いますが、牛刀を使った方が使いやすいという方も意外と多いのではないかと思います。包丁の買い替えや買い足しのときは、ぜひご検討くださいね。
料理初心者の方には最初は三徳包丁がおすすめです。
詳しくはこちらの記事を合わせてご覧ください。
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